終活でやってはいけない5つのこと|トラブル事例から学ぶ

終活は、人生をより良く生きるための前向きな準備。
──けれど、やり方を間違えると「家族を困らせる結果」になってしまうこともあります。
実際、
・財産を整理したのに家族が混乱
・ネット情報を信じて遺言が無効になった
・話し合いを避けたせいで相続トラブルに…
というケースは珍しくありません。
この記事では、**「終活でやってはいけない5つのこと」**を中心に、
実際にあったトラブル事例と、失敗を防ぐための心得をわかりやすく紹介します。
終活で“やってはいけない”とは?
終活というと「やるべきことリスト」が注目されがちですが、
実は同じくらい大切なのが “やらないほうがいいこと”を知ること。
「やらないこと」を知るのも終活の一部
間違った進め方をしてしまうと、せっかくの努力が無駄になったり、
家族に負担をかけてしまったりすることもあります。
つまり、終活とは「何を準備するか」だけでなく、
「どう進めないか」を知ることも大切な準備なのです。
終活でよくある失敗5選
① 家族に黙って財産整理を進める
「迷惑をかけたくない」と思って内緒で整理を進める方もいますが、
家族が内容を知らないと、後で混乱を招く原因になります。
たとえば、預金や保険の場所がわからず、
相続手続きがストップするケースもあります。
👉 ポイント:小さなことでも家族に共有を。
② ネット情報をうのみにして遺言を作る
インターネット上のテンプレートを参考にした結果、
法的に無効な遺言書になってしまうことがあります。
遺言は形式が厳格。
1文字の書き間違い、日付の抜け、印鑑の種類ミスでも無効になることも。
👉 ポイント:作成前に必ず公式情報(法務省など)を確認。
③ 相続・税金の確認をせずに進める
相続税や贈与税の仕組みを知らずに財産を分けると、
「税金が想定より高額になった」「二重で支払ってしまった」などのトラブルも。
👉 ポイント:税金の確認は“最初の段階”で専門家に。
④ 費用を気にして必要な準備を省く
「お金をかけたくない」と必要な書類・相談を省くのは逆効果です。
後からやり直すほうが、費用も時間もかかるケースが多いです。
👉 ポイント:最初に“必要経費の全体像”を把握しておく。
⑤ 感情的になって家族と話せなくなる
「遺言なんて縁起でもない」と言われたり、
意見がぶつかって喧嘩になったりすることもあります。
でも、避け続けると後悔するのは家族全員です。
👉 ポイント:“正しさ”より“伝え方”を意識する。
実際にあったトラブル事例
遺言内容をめぐって兄弟が揉めたケース
兄が父の遺言書を自筆で作成していたが、日付が抜けていたため無効に。
その結果、相続人全員で遺産分割協議をやり直すことになり、
関係が悪化して疎遠になってしまった。
→ 教訓:形式不備を防ぐには、公正証書遺言が確実。
実家の名義変更を後回しにして相続人が増えたケース
祖父名義の土地を放置していたため、
相続人が10人以上に増えてしまい、登記手続きが複雑化。
結果、売却までに数年かかった。
→ 教訓:不動産の名義変更は“早め”が鉄則。
失敗しないための心得
専門家に相談するタイミングを知る
遺言・登記・税金など、自分で調べるだけでは限界があります。
特に「迷ったら、早めに相談」が鉄則。
- 司法書士:不動産・登記関係
- 税理士:相続税・贈与税
- 弁護士:トラブル予防・法的助言
信頼できる専門家に一度相談しておくことで、将来の安心が変わります。
家族と話す時間を“先送り”にしない
終活の本当の目的は、「家族が安心できる状態をつくること」。
そのためには、時間をかけて話すことが何より大切です。
完璧でなくても構いません。
“話すことそのもの”が、最高の準備です。
まとめ|終活は“完璧にやる”より“間違えない”ことが大切
終活は、正しい情報と小さな一歩から始めれば十分です。
焦らず、家族と相談しながら進めることで、
安心と信頼を築くことができます。
今日から、「やらないことリスト」も意識してみましょう。



